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どこからがプライバシー侵害?削除できる投稿の判断基準を弁護士が解説

インターネット上の投稿について、「これはプライバシー侵害になりますか?」という相談は非常に多く寄せられます。しかし実際には、「不快である」「知られたくない」という感情だけで直ちに削除が認められるわけではありません。裁判実務においては、一定の基準に基づいて慎重に判断されます。本記事では、どのような場合にプライバシー侵害が成立し、削除が認められるのかについて、実務的な観点から解説します。

まず前提として、プライバシー侵害が問題となるのは、「私生活上の事実」が公開された場合です。ここでいう「私生活上の事実」とは、例えば住所や電話番号、家族関係、交際関係、病歴、過去のトラブルなど、個人の生活に関する情報を指します。これらは一般的に本人が積極的に公開しているものではなく、第三者に知られることを望まない性質の情報です。したがって、こうした情報がインターネット上に投稿された場合、プライバシー侵害の問題が生じ得ます。

もっとも、単に私生活上の情報であるというだけでは足りません。その情報が「一般人の感覚として公開されたくないと感じる内容」であることも重要です。例えば、不倫関係や借金、病気、過去のトラブルといった情報は、多くの人にとって公にされたくないものといえます。このような情報が公開された場合には、プライバシー侵害と評価されやすくなります。ここで重要なのは、「本人が実際に嫌だと思っているか」ではなく、「一般的に見て公開されたくない内容かどうか」という客観的な基準で判断される点です。

さらに重要なのが、その情報を公開する「正当な理由(公益性)」があるかどうかです。仮に私生活上の情報であっても、それを公にすることに社会的な意義がある場合には、違法とは評価されない可能性があります。例えば、政治家や企業経営者の不正行為に関する情報は、社会的関心が高く、公益性が認められるため、削除が認められにくい傾向にあります。一方で、一般人の恋愛関係や私生活に関する情報については、通常は公益性が認められず、削除が認められやすくなります。

このように、プライバシー侵害の成否は、「私生活性」「公開されたくない性質」「公益性の有無」といった要素を総合的に考慮して判断されます。
加えて、「特定可能性」が必要です。投稿された情報から、対象となる人物が誰であるかを第三者が識別できる場合、その影響は一気に大きくなります。例えば、実名や顔写真に加えて勤務先や居住エリアなどが組み合わされると、個人の特定が容易になり、プライバシー侵害が認められやすくなります。逆に、誰を指しているのか分からない抽象的な記載であれば、違法と評価されない可能性もあります。

なお、削除を検討する場合には、対応のスピードが極めて重要です。
インターネット上の情報は拡散が早く、一度広まると完全に消すことが困難になります。そのため、問題となる投稿を発見した場合には、まず証拠を保全した上で、速やかに削除対応を検討する必要があります。一般的には、①証拠保全②任意での削除依頼③裁判所を通じた削除(仮処分)という流れで対応していくことになります。

誹謗中傷バスターズでは、投稿内容を精査した上で、削除可能性の判断から、証拠保全、弁護士による任意削除請求、裁判手続まで一貫して対応しています。